男子代表はまだFIFAワールドカップ本大会に出場したことがありませんが、それでもベトナムはアジアでも有数のサッカー熱狂国として知られています。
代表戦の視聴率が7割を超えることもあり、勝利すれば国中がお祝いムードに包まれるほどです。
特に最近、女子サッカーが注目です。東南アジアの女王として君臨し、ついに2023年には女子ワールドカップ初出場も果たしました!
ベトナム人にとってサッカーは「国民的コンテンツ」
ベトナムではサッカーが圧倒的な人気を誇るスポーツです。メディアの記事では、ベトナムがサッカーを通じて国全体がひとつにまとまる、まさに国民的スポーツだと紹介されています。代表戦の時期にはレストランや繁華街に設置された大型モニターの前に人だかりができ、応援の熱気に包まれます。
米ニールセンによる調査では、ベトナムはアジアの中でサッカーファンの割合が最も高い国とされ、UAEやインドネシアを上回る結果となりました。この熱狂ぶりの背景には、2010年代後半のU-19代表・U-23代表の躍進があります。
ホアン・アイン・ザライ(HAGL)のアカデミー出身選手を中心としたU-19代表が人気に火をつけ、その後U-23代表がAFC U-23選手権で準優勝、SEA Games(東南アジア競技大会)でも連覇するなど活躍したことで、サッカー熱はさらに加熱しました。A代表もFIFAワールドカップ・アジア最終予選に初めて進出するなど、着実にステップアップを続けています。
代表戦の視聴率が驚異的な数字に達することもあり、勝利すれば街全体が祝賀ムードに包まれるといいます。まさにサッカーはベトナム国民の生活に深く根付いた文化のひとつだと言えるでしょう。
男子選手を追いかける女性ファン
ベトナムサッカー人気を支えるのが熱心な女性ファンです。U-23代表フィーバーの際には、ルックスの良さで注目を集めた選手が多くの女性ファンを獲得したと報じられています。
ゴールキーパーのブイ・ティエン・ズン選手は「女性ファンの間で人気の高い」選手として紹介されるなど、実力だけでなく容姿や人柄も含めてアイドル的な人気を博す選手が代表チームには少なくありません。
ベトナム女子代表の実力
ベトナム女子代表は、東南アジア地域では圧倒的な強豪です。SEA Games(東南アジア競技大会)ではタイ代表と並ぶ最多となる5回の優勝を誇り、東南アジアの女子サッカー界を代表する存在となっています。
アジア全体でも存在感を増しており、2022年のAFC女子アジアカップではベスト5に入り、2023年大会では悲願の女子ワールドカップ初出場を果たしました。これはFIFA主催の大会(男女・年代を問わず)としてベトナムにとって史上初の出場という、歴史的な快挙でした。なお、オリンピックへの出場はまだ実現していません。
クラブレベルでも成長が続いています。2026年5月にAFC(アジアサッカー連盟)が発表した2025-2026シーズンのアジア女子クラブランキングでは、ベトナムの女子サッカーチームが68,522ポイントを獲得し、初めてアジア6位にランクインしました。このポイントの内訳は、クラブレベルでの実績が7割、代表チームの実績が3割とされ、特にホーチミン市女子クラブがAFC女子チャンピオンズリーグで準々決勝まで進出したことが大きく寄与しました。
アジア競技大会(アジア大会)での歩み
「アジア大会」ことアジア競技大会は、オリンピックに次ぐ規模のアジア総合スポーツ大会で、サッカー競技は男子が1951年の第1回大会から、女子は1990年の北京大会から実施されています。
ベトナム女子代表は、このアジア大会でも存在感を発揮してきました。2018年インドネシア大会(ジャカルタ・パレンバン大会)では、グループステージで日本になでしこジャパンに大敗を喫したものの、大会全体としてはベスト4進出という好成績を収めたことが報じられています。ベトナムの女子サッカー界にとって、この結果は国内でも大きな注目を集めました。
2023年杭州アジア競技大会(第19回大会、新型コロナウイルスの影響で1年延期)でも、ベトナム女子代表はグループステージで日本と対戦し敗れていますが、アジアの強豪国とグループステージから顔を合わせるレベルにまで実力を伸ばしてきていることが分かります。
このように、SEA Gamesでの圧倒的な強さに加え、アジア大会やAFC女子アジアカップといったより上位の舞台でも結果を残しつつあるのが、現在のベトナム女子サッカーの立ち位置です。
ベトナム女子サッカー選手権
女子の国内リーグもありますが、男子ほどの観客動員は得られていません。あるメディアでは、女子代表がワールドカップ出場まであと一歩に迫り、アジア大会でもベスト4に進出するなど代表チームは躍進した一方で、国内リーグの人気はいまひとつでスタジアムが閑散としている実情が指摘されています。人気選手の輩出が、今後の女子サッカー界の底上げに必要だとも言われています。
現在、ホーチミン市女子クラブ(Ho Chi Minh City Women’s FC)がリーグを主導する存在で、国内タイトルを積み重ねながらAFC女子チャンピオンズリーグでも結果を残し、前述のアジアクラブランキング6位入りに貢献しています。
