この記事は2022年6月に公開したものを、2024~2025年の最新データをもとに全面的にアップデートしました。ベトナム人パートナーとの国際結婚を考えている方、あるいはすでに結婚生活を送っている方に向けて、恋愛観・結婚観・性生活・夫婦関係にまつわる文化的背景と最新の統計・動向をお伝えします。
ベトナム人の性に対する価値観
「距離が近い=性に開放的」は誤解
ベトナム人(特に女性)はハグや手をつなぐなど身体的な距離が日本人より近い傾向があります。そのため「性に対してもオープンなのでは」と誤解されがちですが、実際は逆です。
ベトナムでは「セックスは結婚してから、結婚相手とするもの」という意識が依然として根強く、婚前交渉に対してはかなり慎重な人が多いです。ハグやキスは交際相手と自然にしますが、性行為については別と考えるベトナム人女性が多く、「結婚前提であることが明らかでなければ、体を許さない」という価値観は現在も主流です。
若者世代の意識変化(2020年代)
都市部の若い世代を中心に変化も起きています。スマートフォンの普及やSNSの影響で、婚前に性的関係を持つカップルは増加傾向にあります。
一方で、学校・家庭での性教育が不十分なまま性行動だけが先行するという問題も生じており、若者の意図しない妊娠・人工妊娠中絶件数の多さが社会問題として指摘されています。
AFP(2021年報道)によると、ベトナムでは家庭や学校で性に関する教育がほとんど行われておらず、「まるで避妊手段の一つであるかのように中絶手術に頼る若者もいる」と専門家が警告しています。
ベトナム人女性の恋愛観
結婚を前提に交際を考える人が多いです。ベトナムでは、交際は単なる恋愛ではなく、「将来の結婚相手を見極める期間」と考える女性が多い傾向があります。
そのため、仕事への姿勢、生活力、家族への接し方、誠実さ、浮気をしないかなどを非常によく見ています。特に、家族を大切にする男性かどうかは重視されます。
日本人男性が誤解しやすいポイント
「優しい=本気」と受け取られることがあります。ベトナムでは、男性が女性を大切に扱う文化があります。そのために、毎日連絡したり、頻繁に会う、プレゼントを贈ったり、将来の話をするといった行動は、「真剣交際」と受け取られる場合があります。
日本人男性が軽い気持ちで接していると、価値観の違いからトラブルになることもあります。
夫婦間の性生活頻度と満足度
日越比較データ(参考値)
以前の記事で引用したDurex社の調査は2022年以降更新が止まっているため、参考値として以下をご紹介します。
国 年間性行為回数(目安) 性生活満足度(目安)
| 日本 | 約40~45回(世界最低水準) | 約24% |
| ベトナム | 約80~90回 | 約40~45% |
| 世界平均 | 約100~103回 | 約44% |
| 欧米 | 約100~110回 | 約45~55% |
日本は依然として世界で最も性行為の頻度が低い国のひとつとされており、ベトナムとの間には大きなギャップがあります。これは性欲の差というよりも、文化・慣習・夫婦間のコミュニケーション習慣の違いによるものと考えられています。
日越カップルで起きやすいギャップ
日本人男性とベトナム人女性の夫婦では、以下のようなギャップが生じやすいとされています。
スキンシップの頻度:ベトナム女性は愛情表現(ハグ・スキンシップ)を日常的に求める傾向があるが、日本人男性はそれが苦手なことも多い。
セックスの頻度・主導権:ベトナム女性は比較的、夫婦間の性生活を大切にする傾向がある。一方、日本人男性は仕事疲れや照れから性生活が疎かになりがちな場合も。
コミュニケーションの取り方:ベトナムでは夫婦間の意思疎通を言葉でしっかり行う文化があるが、日本人は「察する文化」のため認識のズレが生じやすい。
ベトナムの結婚・離婚の最新動向(2024~2025年)
離婚率の上昇
2025年2月、ベトナム統計総局(GSO)の2024年中間国勢調査の結果が発表されました。
15歳以上の人口のうち2.6%が離婚経験者(2019年比+1.3ポイント)
都市部の離婚率は2.9%と農村部(2.4%)より高い
離婚率が最も高い年齢層は男性40~44歳(4.2%)、女性40~49歳
全国で最も離婚件数が多いのはホーチミン市、次いでハノイ市
離婚増加の主な理由として、都市部での生活コストの上昇、価値観の相違、配偶者が海外在住の場合の関係希薄化などが挙げられています。
国際結婚の離婚率
厚生労働省の2022年人口動態調査によると、日本における国際結婚全体の離婚率は約47.9%に達しており、日本人同士の結婚(約36.1%)を大きく上回ります。ただし、ベトナム人との結婚はアジア圏の中では比較的安定しているとされており、韓国・フィリピン・タイとの婚姻と比べると離婚率は低い傾向があります。
ベトナム人との結婚生活で大切なこと
家族との関係を大切に
ベトナムでは「家族の結びつき」が非常に強く、結婚は当人同士だけでなく「家族同士の結婚」という意識があります。特にベトナム人女性は実家の両親・兄弟を大切にする傾向が強く、定期的な仕送りや帰省を希望することも多いです。
これを事前に理解し、パートナーと話し合っておくことが、長続きする結婚生活の基礎になります。
経済観念の違いに注意
ベトナム女性は現実的・堅実な経済観念を持つ人が多く、「家族を養える経済力のある男性」を重視する傾向があります。また、家計の管理をしっかりしたいという意識も強いです。
お互いの収支をオープンに共有し、家計管理の方針をあらかじめ話し合っておくことが重要です。
言語・コミュニケーション
ベトナムでは英語話者が日本より多く、特に若い世代や都市部では英語・日本語を話せる人が増えています。ただし、深い感情的なやりとりには母国語でのニュアンスが不可欠なため、ベトナム語の習得も夫婦関係の深化に役立ちます。
LGBTQと性の多様性に関するベトナムの動向
法的位置づけ
2015年に施行された「婚姻家族法」の改正により、同性婚は禁止されないが国が権利を保障しないという状態になっています(「承認せずとも禁止せず」)。
2022年8月にはベトナム保健省が、同性愛やトランスジェンダーであることは精神的疾患ではないと公式に認定し、国際的な保健・人権基準に沿った対応をとるようになりました(ヒューマン・ライツ・ウォッチ, 2022)。
社会の変化
2000年代初頭にはメディアでLGBTQが笑い者にされるケースが多くありましたが、2020年代に入り社会的認識は大きく改善されています。ホーチミン市やハノイ市ではプライドイベントが開かれるようになり、LGBTQコミュニティへの理解は着実に広がっています。
日越カップルにおいても、性の多様性に関して互いの価値観を理解し尊重することが、良好な夫婦関係につながります。
日本在住ベトナム人は急増している
2026年の現在、日本国内のベトナム人コミュニティは非常に大きくなっています。
技能実習生・留学生・就労者・国際結婚などを背景に、日本社会との関わりも深くなっていますので国際結婚では、相互理解、文化理解、対等な関係が以前より重視されるようになっています。
国際結婚で最も大切なのは「尊重」です。ベトナム人女性との国際結婚で最も大切なのは、「ベトナム人だからこう」と決めつけるのではなく、一人の人間として尊重することです。
文化の違いを理解し、お互いを尊重できる関係が、長続きする国際結婚につながります。
