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ベトナム結婚

ベトナム人との結婚、教育について

ベトナム女性と結婚して家庭を持って、子供ができると教育問題は避けることはできません。ベトナムの教育水準は、日本と遜色ないくらい高いのですが、日本と違う点もいろいろあります。結婚後の教育について、ベトナムの現状と日本とベトナムの相違点を浮き彫りにしたいと思います。

1.ベトナムの教育の現状

(1)統計調査での状況

2021年1月の日本貿易振興機構(ジェトロ)の教育調査統計によれば、小学校就学率 100% 中学校就学率 92.8% 高校卒業率 98.3% 大学進学率 28.3%と先進国並みか、それ以上の子供が教育を受けています。さらに、教育法改正で就学前の1年間(5歳)の幼児教育(保育園など)は義務教育化になりました。

多くの学校で、小学3年生から英語教育課程およびコンピューター教育課程を開設しており、成人ほぼ全員が携帯電話(スマホ)を保有していることからもITにもかなり、力を入れています。保護者からの強い要望もあるらしいです。

日本貿易振興機構の教育調査結果
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2021/db6cdef49e854b9a/202101.pdf

(2)ベトナムの教育制度

ベトナムの教育は、初等/中等教育が6歳から始まって、小学校5年間、中学校4年間、高等学校3年間の12年制で、小・中学校の9年間は義務教育となっています。

ベトナムは、発展途上国としては、識字率は、かなり高いほうで、外国語も高校生で、日本語を学ぶ学生は4万人以上、ハノイ、ホーチミンなどの地域の中学校や高等学校では、日本語を学習している課程やクラスもあります。

義務教育は公立の学校にほとんどの人が通い、教育訓練省(日本の文部科学省)が管轄しています。

学校は9月にスタートして、9月~12月までが前期で、1月~5月が後期になります。途中にテト(旧正月)休み、夏休みが入ります。義務教育後の公立普通中学校(日本の高等学校)は3年制(15~18歳)となっています。公立普通中学校(高校)への入学選考は、省市単位で実施される共通試験の結果で選考されます。試験科目は基本的には国語、外国語(中学校で選択した言語)、数学の3科目です。高等教育機関は短期大学が3年制、大学は4年制、大学院は修士課程と博士課程があります。大学の医学部などは6年制となっています。

ベトナムでは早くから英語学習がすすめられていて、2011年から小学校3年生での英語教育が必修化されました。一部の学校ではフランス語バイリンガルプログラム、中国語強化プログラムも実施されています。

ベトナム人の大卒者は外資系企業の就職を目指す傾向にあって、大卒者は英語が話せる人が多くなっています。ベトナムにおける外資系企業は、ベトナム企業よりも給与が高く会社の経営が安定しているので、働きやすい環境、福利厚生も充実しているので、人気が高くなっています。

(3)幼児教育事情

幼稚園などの教育ですが、ベトナムでは夫婦共働きが多いため、保育・幼稚園が新設されても、ニーズに追いついていないのが現状です。待機児童の多い日本と似ています。ベトナムでは、経済成長で所得が上がってきたので、家庭では、子どもの教育に対しても高いレベルを求めるようになってきています。特に、幼児教育においても、英語教育に重点を置いているようです。ホーチミンでは国立、私立でも、どこの幼稚園や保育園も英語教育に力を入れています。

2.ベトナムの教育問題

(1)ベトナムの教育格差

ベトナムは、教育水準が高いとは言え、地域格差、とりわけ南北格差、同じ地域でも、収入格差が、大学進学率に影響していると言われています。もっとも、日本でも同じような状況にありますが、ベトナムの教育課題として認識されています。ベトナムは、単一民族ではないため、少数民族もいますので、民族間格差も存在するようです。

例えば、ベトナムは男子と女子の識字率にわずかですが、差があります。国の平均が男子は95.9%、女子は91.6%なのに対して、ディエン・ビエン州では男子の識字率が76.5%、同女子は50.6%と国の平均よりもかなり低いとされています。

(2)日本語教育の問題点

日系企業のベトナム進出も増加して、日本語学習者数や教育機関数が年々増えています。
日本語学習者が急増して、教員不足や教師の能力不足など、いろいろな問題が発生し、教育の質的低下も出かけているとのことです。

3.ベトナムの大学

ベトナムの大学は、国家大学、国立大学、私立大学の3種類があります。

国家大学:政府直属の大学
国立大学:ベトナム教育訓練省の管轄

ベトナムの国家大学は次の2種類しかありません。

ベトナム国家大学ハノイ校
ベトナム国家大学ホーチミン市校

国立大学は総合大学ではなく、専門的な学部のみがありカレッジです。私立大学も総合大学的ではなく専門分野の大学、カレッジがほとんどです。

学費ですが、ベトナムの国家大学や国立大学では学ぶ分野によって違いはありますが、年間の学費が教材費等込みで20万円程度です。私立大学は年間100万円以上かかる大学もあり、こちらは日本の私立大学と同じような金額となります。ベトナム人の平均年収からすると、かなり高額だと言えます。やはり、私学となると、一部の高額所得の家庭しか行けない現状があるようです。上流階級の特権になっていると言えるかもしれません。

<ポイント>

ベトナムは、日本と同等か日本以上に教育に熱心な国で、進学率も高い国です。とりわけ英語教育、ITを使った教育などにも力を入れています。

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