ベトナム人と結婚し、主婦としては、ベトナム料理を作ってくれることになります。日本との食文化の違いや、最近はグルメの間でも人気のある豊かなベトナム料理の食文化や食品をご紹介します。
1.ベトナム料理の歴史
ベトナムでは食事に箸やお茶碗を使い、米を主食とし、お茶もよく飲みます。祝い事では小麦粉や米粉で麺やお餅も作ります。日本の食文化に似ていますが、ベトナムの食文化は100年に及びベトナムを支配していた中国の影響が強く、炒める、蒸す、煮るなど、中華の料理方法が多く使われます。
19世紀にベトナムが中国から独立後、フランスが侵略して、フランス人達がベトナムで農業をして胡椒や香辛料、洋野菜やコーヒーを栽培して、歴史的にフランスの食文化の影響を強く受けています。カフェでコーヒーを飲む習慣が定着しています。
2.ベトナム人とお米
トリップアドバイザー(TripAdvisor)が発表した統計調査「世界で一番おコメを食べているのはどこの国?」によれば、ベトナム人1人当たりの1日のコメ消費量は、398gで、世界4位とのことです。コンビニのおにぎりにすると、9個分に相当するらしいです。
世界では、米を食べている国の中で、1位は、バングラデシュで、1人当たり1日473g。2位:ラオス(445g)、3位:カンボジア(436g)、日本は119gで50位となっています。ベトナムでは、日本の4倍以上のお米を食べていることになります。ランキングとしては、地域として、ベトナムは食品の中で米の消費が多い国となります。
3.ベトナム料理の特徴
ベトナム料理は、やさしい味付けで、野菜の多いヘルシーな料理として日本の主婦にも人気があります。
豊かなベトナム料理のおいしさの秘密ひみつは、「五味・五彩・二香」にあるとされています。
「五味」は、塩気、酸味さん味、から味、あま味、コク。「五彩」は、黒、赤、青(緑)、白、黄。「二香」は、香り、香ばしさです。
また、香りの強い調味料や香草もたくさん使われます。
4.地域の豊かな食文化
ベトナムは南北に長く、地方によって気候が違うので、北部、中部、南部の豊かな食文化があります。
フォーはハノイがある北部生まれです。北部は中国に接しているため、中国料理の影響を強く受けています。米で作った麺と鳥ガラスープの「フォー」は日本でも人気があります。日本の居酒屋でも人気があります。
ホーチミンがある南部は、ココナッツミルクを使った甘めの味つけが特徴で、ベトナム風生春巻「ゴイ・クオン」やベトナム風お好み焼き「バインセオ」が有名です。日本のグルメの間でも人気のアイテムです。ランキングで上位にあがる男性にも女性にも人気のあるアイテムです。
5.朝ごはんは屋台で「フォー」
ベトナムの朝は早く、学校が7時頃から、会社は8時頃から始まります。朝ごはんは通学、通勤途中途中の屋台でフォーを食べる人が多く、小さめのフランスパンにレバーペーストや野菜をはさんだ「バインミー」も人気です。朝から夫婦で、食べに行く姿も見られます。
6.ランチは安くておいしい「コムビンザン」
ランチは、「コムビンザン」と言う大衆食堂が人気です。大きなお皿に料理が盛られて、好みで選べるようになっています。ベトナムの家庭料理を気軽に安く味わえる場所で、ランキングなどで人気のお店には行列ができています。
7.食事には、しる物がかかせない
ベトナムでは、家庭でも外食でも食事には、必ずしる物(スープ)がつきます。
ごはんにスープを、あるいはスープにごはんをいれて、お茶づけのようにして食べる習慣があります。
日本ではラーメンやそばのスープを飲む時に、どんぶりに口をつけて飲むことも多いですが、ベトナムではこれはマナー違反とされています。必ずスプーンを使って飲みます。どんぶりは持ち上げずに置いたまま食べます。
食後の楽しみはベトナムコーヒー
ベトナムでは、フランスの影響でコーヒーを飲むようになりました。ベトナムコーヒーは、ベトナムで伝統的に飲まれているココナッツのような甘い香りがするコーヒーです。
8.食事のマナー・食文化・習慣
ベトナムでは、日本食と同じように箸やお茶碗を用いて食事を摂ります。米を主食とし、お茶を飲むのも日本食と同じです。
・料理は大皿で、直箸禁止
ベトナム料理は、大皿で出されて、小皿に取り分けます。自分で食べる分は自分の箸で取り分けるが、他の人の分は直箸ではなく箸を逆さまにして取り分けます。
複数で外食をする時も、ベトナム料理は、別々の料理を注文するのではなく、サラダ、魚料理、野菜料理などが大皿で出てきて、自由にとって食べます。料理を自分の皿にとる時は、直箸で、自分の箸でとってもよいのですが、人の分をとる時は、自分の箸を反対側にしてとるのがマナーとなっています。
食事は、家庭などで年長者が声をかけてから一斉に食べ始めるのが、しきたりのようです。
次に、日本食とはちょっと違う食事や飲み会での習慣について紹介します。
・家庭では晩酌しない
結婚後、日本では、特に男性は、家でご飯を食べながら晩酌が普通ですが、ベトナムでは日常的に家で飲む人はあまりいません。お酒はみんなで集まった時に飲むものという考えがあるようです。
・ご飯は床に並べる
ベトナムでは、家に親戚や友人を大勢招いて宴会をすることがあります。多くの人が大きい家に住んでいるわけではないので、ベトナムの家庭の宴会では、テーブルや椅子は必要ありません。床に料理を並べてしまいます。
9.日本とは全く違うベトナムの食事マナー
・味付けを変えても問題なし
ベトナムでは、お店でも家庭でも、出された料理を自分好みに味つけしても、マナー違反とはなりません。
・ベトナムの料理の味付けは最低限
ベトナムでは、食堂やレストランで提供される料理の味付けは、最低限にとどめられています。濃い味が好きな人にとっては、物足りなく感じるさっぱり味です。
・調味料で料理の味をアレンジ
ベトナム人が薄口派というわけではありません。様々な調味料を使って自分好みに料理をアレンジするのがベトナムスタイルです。調味料の定番は、チリソース、甘口醤油、にんにくと唐辛子を漬けたピリ辛酢などです。ケチャップ、唐辛子のみじん切り、コショウも必ず常備されています。調味料を直接つけたり、オリジナルのソースを作ったりと、それぞれの食べ方を楽しみます。
・家庭の食卓でも味変は問題なし
ベトナムでは、結婚後、家庭の食卓でも料理の味を勝手に変えるのは問題ありません。招待された家庭でも同様です。料理をより美味しく食べるために、味変は推奨されています。